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スタイルガイド「2. カタカナ」の第5、6項に記載されている社名、人名等のカタカナ表記ルールですが、記載内容が不十分で、トランスレーターの裁量が大きすぎるように感じます。
通常の翻訳案件はお客様に受け入れていただければそれでいいのですが、Edit案件の場合は元のトランスレーターと自分の解釈が異なっていると、統一するのが結構な負担です。
以下、私の疑問点を書いてみましたので、運営側の方にご回答いただけませんでしょうか。
また、トランスレーターの方も他に疑問があればぜひ追加をお願いします。

多少批判めいた書き方になってしまうかもしれませんが、趣旨としてはgengo翻訳のクオリティ向上や、Edit案件の負担低下(そして時間単価向上)という建設的なモチベーションですので、ご協力よろしくお願いします。


疑問1:スタイルガイドの適用対象
スタイルガイド「2. カタカナ」の第5項は「商標、社名、ユーザー インターフェースの名称など」、第6項は「人名、地名、社名、製品名、サービス名」について書かれています。
私は第5、6項ともに「固有名詞」を対象にしていると(勝手に)解釈していますが、実際のところはどうなのでしょうか。
Edit案件を手掛けた感覚では、書名、組織名(NGO名、○○研究所、○○委員会など)、建築物の名前などで、トランスレーターごとに解釈の違いが出やすいように感じます。


疑問2:部分的に「日本語表記が定まっている」場合
固有名詞の一部のみ日本語表記が定まっている場合や、一般名詞を含む固有名詞を翻訳する際、解釈の違いが発生しているように感じます。

 

例A:
「John Smith」という架空の無名人物の名前はどのように表記すべきでしょうか?この人物が無名であったとしても、「John」は「ジョン」、「Smith」は「スミス」というカタカナ表記は完全に定着しています。したがって、訳文の表記としては

John Smith:本人が無名であり、名前の読み方は日本語表記として定まっていないと解釈
ジョン・スミス:本人の有名/無名にかかわらず、この名前には定着した日本語表記があると解釈

の2パターンが考えられます。

蛇足ですが、「Hepburn」のように、「ヘボン(ヘボン式ローマ字)」「ヘップバーン(オードリー・ヘップバーン)」のように日本語表記が複数ある場合もありますね。


例B:
例Aに類似していますが、アメリカ初代大統領と同姓同名の別人「George Washington」氏が登場した場合、どのように表記すべきでしょう。
また、先のアメリカ大統領選候補者それぞれと姓・名がそれぞれ共通する「Hillary Trump」氏はどのように表記すべきでしょうか。


例C:
「French Fry Science University」という架空の無名大学はどのように表記すべきでしょうか。
考えられる案としては

French Fry Science University:日本語表記が定着していないので原文表記
French Fry Science大学:「University」は「大学」と訳す
French fry科学大学:「Science」は科学、「University」は「大学」と訳す
フレンチフライ科学大学:「French Fry」の訳は「フレンチフライ」で定着している
フライドポテト科学大学:「French Fry」の訳は「フライドポテト」のほうが一般的である

もちろん、他にもいろいろやり方はあると思います。

こちらも蛇足ですが、「University」を「大学」と訳す場合、「French Fry University」と「French Fry College」が両方存在するときに区別がつかなくなってしまいます。


翻訳業界の慣習は残念ながら存じ上げませんが、私業務上かかわる世界では、固有名詞は極力原語表記とする慣習が一般的です。
カタカナ化、日本語化すると、上記の「University」「College」問題が発生する可能性があり、訳文読者の源情報へのアクセスを阻害する可能性があるからです。


もしかすると、日本語表記をどうするかは文脈や顧客とのコミュニケーションで決定すべきもの、という意識で、あえてスタイルガイドをあいまいにしているのかもしれませんが、現実問題として困っていますので問題提起させていただきます。あくまで「原則」で構いませんので、指針はもう少し明瞭にしていただけないかと。

皆様のご意見をお願いします。

 

3件のコメント

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    hiro_k

    あまり参考にならないかもしれませんが、私の翻訳方針を書いてみました。もちろん私的な方針にすぎません。

    基本的には内容次第であって、現在のスタイルガイド以上のことを共通ルール化するのはなかなか難しいのではないかと思っています。

     

    > 例A:

    カタカナ表記。ただし文中に複数の人名が登場し、その中にカタカナ表記が定着していない名前がある場合は全員を原文表記のままとします。

    定着している日本語表記が複数ある場合はより一般認知されているほうを選びます(例えばGoogleのヒット件数が多いほうを選ぶ)。

    Ronaldがロナウドとロナルドのどちらも一般的であるようにヒット件数だけで判断できない場合は、原文の内容とターゲット層的にどちらのほうが馴染むかを考えて決めます。

     

    > 例B:

    例Aと同様です。

    読み手が有名人と混同することを懸念されているのかもしれませんが、それは原文表記のままとした場合でも同じなので、原文責任と判断します。

     

    > 例C:

    内容や文脈で判断して決めるしかなさそうです。Edit案件なら訳者の意図を汲み取ってできるだけ尊重します。

    源情報へアクセスできることが読み手にとって重要そうなもののときは、初出のところで「フレンチフライ大(French Fry Science University)」のように原文併記します。

    原文ママ、原文併記のどちらにもしたくない場合、「フレンチ・フライ・サイエンス・ユニバーシティー」のようにして安全策をとります。Universityなら大学ってしちゃってほぼ問題ないと思いますが、例えばInstituteのようにかなり微妙なものもありますので。

    hiro_kにより編集されました
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    chikara.shimizu

    @K.Takahashi さん

    詳細なフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。

    Gengoは翻訳対象のコンテンツが多岐にわたり、要求される文体も様々なため、スタイルガイドの規定については、必要最小限の内容にとどめるよう考慮しています。あまりに指示内容を具体化/複雑化してしまうと、限られた時間の中で翻訳を行うトランスレーターの皆さまにとって負担になったり、多様なコンテンツに対応する上で混乱の原因になったりするおそれがあるためです。

    たとえば、Gengoのスタイルガイドでは漢字の使用について(ふりがな、ひらがなとの使い分け、常用漢字等)は規定されていませんが、このあたりを規定し始めるとまさに「きりがない」状態になるであろうことは想像に難くないと思います。

    また、例外的な部分をすべてスタイルガイドでカバーすることは不可能ですので、指示のない部分についてはお客様の立場に立った上で各自適切なご判断をしていただければと考えています。

    架空(もしくは極めて知名度の低い)の固有名詞については、お客様から翻訳方針について確認が取れればベストですが、それができない場合、和訳の後にかっこで原文を併記するなど、一般的な日本人読者が読みやすいような訳文の作成を配慮していただければと思います。固有名詞を原文表記に統一しても問題ないのは、読者がその分野に精通しており、ある程度の英語理解力がある場合に限られます。Gengoではそうした案件もあるでしょうが、そうでない(読者が英語を全く読めない)場合もあります。ですから、あえて指示に幅を持たせています。

    とはいえ、指示の不足により負担が生じている部分については改善が必要と考えています。K.Takahashiさん以外の方も、ぜひ本スレッドなどにご意見をお寄せください。今後の改善につなげられればと存じます。

     

    @hiro_k さん

    ご回答ありがとうございます。そのような対応で問題ありません。

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    K.Takahashi

    清水さん

    ご回答いただきありがとうございます。スタイルガイドをどこまで厳密に解釈すべきか悩んでいたのですが、トランスレーターの判断で良いということですっきりしました。

    とはいえ、私の個人的感覚としてはスタイルガイドが少しゆるすぎるのではないかな、と思ってしまします。

    hiro_kさんに挙げていただいたRonaldもそうですし、StephenやMichaelなどは言語圏によって発音が変わってきます。文脈で判断がつくものでもないですし、このような名前に対してどのように対処すればよいのか、悩んでしまいます。

     

    hiro_kさん

    ありがとうございます。大変参考になりました。

    複数の人名が出てくる際の表記の統一などは勉強になります。私は原文表記とすることが多かったので、あまり意識したことがありませんでした。

    Instituteは確かに微妙ですが、Collegeなどもなかなか難しいです。教育関連はそれぞれの国の制度が関係しますので、そもそも日本語化できないものもあり、悩ましいですね。

     

     

    他の方もどのように対応されているのか、参考にさせていただきたいのでぜひ教えてください。

     

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