みなさんこんにちは。LSのShioriです。2ヶ月ぶりの投稿となりました。今回は過去の投稿で紹介したエラーをもとに、「エラーを防ぐためのヒント」をいくつか紹介したいと思います。これまでのエラーの傾向や、訳出前・訳出中・訳出後に気をつけるべき点などを具体的に見ていきましょう。
まずはエラーの傾向です。ほぼ毎月共通して最も多く見られるエラーは誤訳、そして脱落・付加のエラーが続きます。誤訳エラーの原因はさまざまですが、原文の理解が不足しているため適切に訳出できていないものや、文脈に合った訳語が選択されていないものが多い印象です。脱落のエラーに関しては見落としが原因のものが大半だと思われますが、付加のエラーは、翻訳者の思い込みや勘違いで原文に書かれていない内容を付け足してしまったものが多いようです。また、構文のエラーも数は少ないですが毎月発生しています。直訳や日本語の言葉遣いの慣習に従っていない言葉遣い、代名詞の誤用、不適切な接続詞の使用などが構文のエラーに含まれます。コンプライアンスエラーも毎月必ず見られるエラーです。依頼者のグロッサリー・スタイルガイドや指示、Gengoスタイルガイドに従っていないものがコンプライアンスエラーに指定されます。
それでは続いて、上記のようなエラーを防ぐために、訳出前・訳出中・訳出後にできることを具体的に見ていきましょう。
訳出前に気を付ける点は以下の通りです。
1) 原文の確認:原文に目を通し、文字数や内容から与えられた時間内に訳出を終えられるか計算します。時間が足りなくなると、焦りからミスが起きてしまったり、見直しに時間がかけられず、エラーを見逃してしまったりする可能性があります。
2) 依頼者からの指示の確認:翻訳対象外の単語や特定の単語の訳し方、グロッサリーやスタイルガイド、参照すべき記事などの提供がないか、コメント欄やワークベンチを確認します。
3) Gengoスタイルガイドの確認:依頼者からの指示がない場合、Gengoスタイルガイドに従って訳出することになります。すでに何度も確認しているかもしれませんが、定期的に目を通すようにしましょう。
訳出中は、以下の点に注意しましょう。
4) 訳語の選択:文脈に合った訳語を使用しているでしょうか。
5) 一貫性:文書全体で訳語は統一されているでしょうか。
6) 不慣れな表現:手間を惜しまずに辞書を引きましょう。
7) 不明点:調べるのも翻訳者の仕事の一部ですが、自身で判断できない場合や調べても答えが見つからないときには、コメント欄を使って依頼者に質問・確認しましょう。
8) 記号:Gengoスタイルガイドには、記号の使用に関する記述があります。依頼者からの指示があればそれに従い、ない場合にはGengoスタイルガイドに従って記号を使用します。
訳出後の注意点は以下の通りです。
9) 脱落・付加:原文と訳文を一文ずつ照らし合わせ、脱落や付加がないか確認しましょう。
10) 数字:原文の数字と訳文の数字が一致しているか必ず見直しましょう。
11) 文体:見直し時には文書全体で文体が統一されているかも確認しましょう。
12) 申し送り:最後に、依頼者に伝える必要があることをコメント欄に書き込みます。また、先にした質問に対して回答が得られなかった場合には、自身の解釈やその他考えうる訳の候補などを伝えることをお勧めします。
上記の12点はどれも基本的なものですが、今一度確認することで今後のエラーがかなり防げると思います。また、過去には「自然な翻訳、不自然な翻訳の見分け方」という投稿もしています。ぜひこちらも合わせて読んでみてください。感想や質問等、ぜひコメント欄にお寄せください。それではまた来月!
1 comment
Thanks for the advice Mss Shiori. Very helpful article.