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皆さん、はじめまして。ZH>JA Language SpecialistのAiです。今回が初めての投稿になります。中国語から日本語への翻訳を行う上で、少しでも役立つ情報をお届けできればと思っています。

まずは私について少しお話しますと、東京都出身、現在はフランス在住です。Gengo LSは2016年から担当しています。中英日通訳翻訳、日本語教師を経て、フランスに移住後は翻訳会社を経営、現在はフリーランスで翻訳業を続けています。フランス語はまだまだ勉強中です。


中国語は日本語話者にとって、割と理解しやすい言語だと感じます。簡略化されているとはいえ、文字は漢字で、文法もヨーロッパ言語などに比べてシンプル。しかしながら、文法の違いや、同じ漢字であるがゆえのトラップもあり、それらが翻訳中の悩みの元になることも多々あります。

今日は、過去に出てきたエラーの一例を見ながら、どこに気を付けるべきかを一緒に考えていきましょう。

 

同一漢字の意味や意味する範囲の違い

 

同じ(由来の)漢字でも、その意味の範囲が違う、あるいは長い歴史の中で全く異なった意味で発展していったものなどが数多くあり、誤訳を招く要素の1つです。「新闻」と「新聞」などがそうですね。日本語とは全くイコールではなく、そのまま使うとおかしくなるような場合がありますので、日本語にする際には注意が必要です。過去にあったエラーを見てみましょう。

例1)

原文:一键启动吸尘机器人,即使是初学者也能轻松上手

訳文:ロボット掃除機はボタンひとつでスタートでき、初心者でも簡単に上手に使用できます。

修正例:ロボット掃除機はボタンひとつでスタートでき、初めての方でも気軽に使い始めることができます。


中国語の「上手」には様々な意味があり、文脈によって正しい意味を見つける必要があります。「器用にうまくできる人」、「達人」、などといった、日本語の「上手」に近い意味もありますが、これらは人自体を指す場合に使い、日本語での形容詞的な使い方とは異なります。ここでは「着手する」、「取りかかる」のような、「动手」の意味に近い訳が適しています。

 

例2)

原文:模式可获得更多金币。

訳文:難度の高いモードでは、さらに多くのゴールドを獲得できます。  

修正例:高難易度のモードでは、さらに多くのゴールドを獲得できます。


日本語での「難度」と「難易度」は微妙にニュアンスが違います。ゲームで言うと、「難度」はゲームそのものの難しさ、「難易度」はゲーム内で設定された難しさの度合いです。前後をカットしているのでわかりにくいですが、ゲーム内のあるモードの一つのことを指していますので、「難易度」とするのがいいでしょう。ここでは「高難易度」、ゲームによっては「ハードモード」としてもいいかもしれません。

案件を受けた時にその分野でよく使われる言い回しを調べておくと、今後同様の案件が来た際にこういった問題を回避するのに役立ちます。

 

文法的な構造の違い

 

中国語は文法的にシンプルなため、逆に日本語ではいろんな言い方に言い換えることができてしまいます。一言一句日本語に訳しても、文脈や文章の用途に合った表現に直していく作業が必要です。


例1)

原文:在稳增长、促就业、惠民生等方面发挥着重要作用。

訳文:経済成長の安定、雇用の促進、人々の暮らしに恩恵をもたらす重要な役割を果たしている。

修正例:経済成長の安定、雇用の促進、人民の生活向上などにおいて重要な役割を果たしている。


日本語で箇条書きや複数の要素を列挙させる場合は、形態を統一させることが推奨されています。中国語ではどれも3文字で表現できていますが、日本語にする場合はいろんな言い方があるため、そういった点にも気を配る必要があります。

 

例2)

原文:高腰设计,收腰修胯

訳文:ハイウエストのデザインで、ウエストを引き締め、股の位置を高めにしています

修正例:ハイウエストのデザインで、ウエストを引き締め、股の位置を高めにします


「ウエストを引き締める」は実際履いた際の効果で、「股の位置を高めにしている」のはデザイン自体のことを言っているように思えます。これだと前後が別のことを表していて、不自然に感じますね。「股の位置を高めにします」、や「股の位置を高く見せます」などとすると、前後どちらも履いた時の効果について言っているため、辻褄が合います。

 

 

初歩的な例をいくつか挙げてみましたが、実は、Gocheckで見かけるエラーは日本語の不自然さや文法的な誤りが比較的多い傾向にあります。中国語にだけでなく、日本語にも目を向けてみることも大切です。また、こういったエラーは、翻訳を提出する前にもう一度訳文を通して読んでみるだけでも回避できることがあります。

 

今回はほんの一部だけご紹介しましたが、その他の気を付けるべきポイントやコツなどについてはまた次の機会にお話できればと思います。中日翻訳で皆さんが心がけていることがあれば、ぜひコメント欄でお聞かせください。それではまた次の投稿でお会いしましょう。

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