以前も問題になっていたと思いますが、英日スタンダード案件の報酬はあまりにも安すぎませんか?一定のスキルを要求される仕事なのに、なぜ単純な学生アルバイト以下の報酬しかもらえないのでしょうか?
Gengoのホームページには「professional translation」と謳われていますが、正直、プロの翻訳者に対して非常に失礼だなと感じています。手取りの金額を考えれば、物価の安い国で生活している方を除き、確定申告しているプロが仕事を受けられるレベルではないでしょう。せめて、スタンダード案件に関しては、「翻訳のスキルアップをしたいビギナーが訓練目的で仕事を受けるため、報酬が低く抑えられています」と明示してほしいくらいです(実際には、プロの皆さんが質の高い翻訳を提出されているようですが・・・)。個人的にはプロ案件しか受けていませんが、案件数も限られるためスタンダード案件もチェックしています。しかし、報酬を考えると屈辱的で、やはり手が出ません。
Gengoは、翻訳サービスを安売りしすぎではないでしょうか。価格競争が厳しいのは分かりますが、業界のリーダーとして、翻訳者の仕事を正当に評価してほしいと強く思います。デフレマインドに侵された日本人だから成り立つのだと思いますが、Gengoはいつまでプロ翻訳者の低賃金労働(+ ボランティア精神 + スキルアップ意欲?)に頼り続けるのでしょうか。スタンダード案件があと2~3セント上がるだけでも、皆がかなりハッピーになれると思うのですが。何とかしてほしいものです。
所詮、ただの愚痴として処理されるのでしょうが、あまりにも納得がいかないので、率直な意見を述べてみました。他にも同様の意見、あるいは異なる意見をお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひお聞きしたいなと思います。
7 comments
Kei Kさんのおっしゃっている以下の部分に共感します。
# 何も契約書や専門的な文章だけに翻訳者の力量が現れる訳ではありません。
# 日常的な簡易な文章であっても、翻訳者の力量によって翻訳には差が出るはずです。
オンサイトで翻訳をしてきた経験から申し上げると、
日本語から、ローコンテクストで構文的制約がはっきりしている言語(英語等)に訳すには、
日本語がハイコンテクストでありながら、構文的制約が緩いという対局にあることから、
原稿で何を省略されたか、言葉の裏にある執筆者の真意を察して訳す必要があるためだと、私は考えます。
執筆者に質問をしても、明快な答えを得るまでに何度も質問の仕方を変えたりしなければならかったりします。
日本語から多言語への訳には、「プリエディット」という作業が必然的に付随しているといっても過言ではありません。
用語集や翻訳メモリに収録できる語彙ペアは、限られたコンテクストの場合には有効ですが、一方で、用語集や翻訳メモリに含まれない語彙を原稿に用いている場合もあります。
こうした部分は、英語からインド・ヨーロッパ言語間とはちがい、定量化しにくく、評価も属人的にならざるを得ないのだろうと思います。
また、ご依頼者が原文のまま、Google翻訳などで訳文を日本語に訳した時に、原稿に近い日本語訳を好まれるという実態もあり、せっかく苦労して訳したものを、通じるかどうかは別として、直訳に直すことも少なくありません。そして低い評価を受ける結果となるわけです。
そういう意味では、「日本語原稿を多言語に訳す」という作業は、翻訳作業の中でもかなり特殊なものではないかと思います。
スタンダードで注文する場合には
・スタンダードレベルの料金しか支払わない(プロレベル翻訳者には通知されない)
・スタンダードレベルで発注するがプロレベルの翻訳者が翻訳した場合はプロレベルの料金を支払う
となればいいのにと常々思っています。
スタンダードで発注しプロレベル翻訳者が翻訳した場合、お客様はスタンダードレベルの料金でプロレベルの翻訳を受け取ることができます。
訳者がスタンダードレベルだったのかプロレベルだったのかはお客様には知らされていないと思います。
となるとお客様からすれば安価で質の高い翻訳を受け取れた訳で、「この料金でこのレベルの翻訳してもらえるならスタンダードレベルで十分だ。今後もスタンダードレベルで注文しよう」とお客様が思うのは当然のことと思います。
結果、プロレベルで発注するお客様は減りスタンダードレベルばかりになってしまう。
→プロレベルの発注がないからプロレベル翻訳者がスタンダードレベルの仕事も受注する。
→お客様はスタンダードレベルで満足し、スタンダードレベルで発注する。
の循環が生まれると思われます。
何も契約書や専門的な文章だけに翻訳者の力量が現れる訳ではありません。
日常的な簡易な文章であっても、翻訳者の力量によって翻訳には差が出るはずです。
プロレベルでの発注が増えた方がGengoとしての収入増加にもつながるだろうから、プロレベル発注が増える方向にもっていってもらいたいものですが……。
今起きている現象については、おそらくKei Kさんのおっしゃる通りでしょうね。Gengoには、案件のスクリーニングをしっかりやってほしいですね。スタンダード案件を見ても、普通にビジネス向けで、スタイルガイドなど細かな要件を設定しているものも多く、「翻訳者の時給(換算額)わかってる?」と言いたくなります。もちろん、そこはお客様には見えない部分であり、そこまで買い叩いている意識はないのだろうと思いますが。
せめて、英語>北欧語と同じ水準にしてもらえないですかね。Yumikoさんがおっしゃる通り、何の共通点もない言語間の翻訳だと、簡単なフレーズであっても完全に文脈を理解しないと翻訳できないわけで、文脈や真意を理解するのに相当なスキルと手間を要しますからね。
Gengoさん、本当に翻訳者のことを考えて、どうにかしてください m(_ _ )m
みなさま、今年もよろしくお願いいたします。
lalalaさんのおっしゃるレベル分けですが、昨今は翻訳者(人間同士)ではなく、ヒトとコンピュータ(AI)という分け方になってきているようです。
従来、翻訳者毎の訳語のばらつきをなくすためにCATが用いられてきましたが、TradosもMT(機械翻訳)の精度が上がってきていることを全面的にPRしていますし、更に翻訳者ひとりが持っている量をはるかに超える規模の量をAIが処理できる状態になっているようです。直近では、Fujitsu さんや NECさんも、企業向けのサービスを展開しています。
こういうトレンドがある中、昨年、翻訳プロセスを改善したい某会社にて、技術関連文和文英訳を対象とした「サービスと品質」を調査比較しました。ネット広告でよく見かける某大手翻訳サービスでは、AI翻訳させたもの、つまり原文が一致する訳文をWebからそのままコピペして納品しているものがありました。別の翻訳会社では、機械翻訳後、ポストエディットを人が行ったということでしたが、逐語直訳に修正されたようで分かりにくい英訳になっているケースもありました。
この調査が示唆しているのは、翻訳業界が変化しているということです。翻訳依頼者は、短時間・低コストで品質が高いサービスを求めており、それを受けて翻訳会社(翻訳産業)は、AI翻訳を導入して人件費(翻訳者の作業賃金)を圧縮したいという構図になっているようです。企業でなく個人でも、メールで原文を送ると翻訳されて返ってくるサービスもあるようですから、既に、受発注から納品の間の(事務処理担当者をも含む)ヒトの介入が減ってきているのだと思います。
長い目でみると、ヒトが手掛ける必要がある翻訳ジャンルは、文学・芸術系ということになっていくのではないかと思っています。時節物ですと、大学の卒論翻訳・添削という案件もあるようです。前者は、訳文がどのくらい普及する(認知・評価される)かで報酬が変わりますし、後者は、執筆される内容・程度に左右されそうですので、どちらも全くの「ご縁」のようで、これを定量化して単価を決めるのは非常に難しいだろうと思います。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます!皆さん今年もよろしくお願いします。
そ、それは、確かに難しい問題ですね...。
いやはや、本当に困ったものですね (全く困っていない)。もしかしたら、数年後には文学・芸術系の翻訳も...ですからね。
You are already happy if you are able to choose what job you will translate. People in many other language pairs are happy with any job.